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売却検討中の事業を見て「買っても大丈夫か?」と悩んだ経験はありませんか?現場では数字も説明も一見きれいに見えるのに、買ってから赤字やトラブルが出る――そんなケースは決して珍しくありません。この記事は、短時間で「投資に値するか」を見抜く優先チェック項目を、実務で使える順序とともに整理したガイドです。結論を先に言うと、最初に見るべきは「数字の一致」と「売上の再現性」。この2点が揃えば検討を進め、どちらかに穴があれば即深掘りか撤退を検討すべきです。
買い手向けの要点まとめ — 収益性と再現性を見抜くチェック項目の全体像
短時間で判断するためのコアは3つです。1) 財務指標で収益性が正しく計上されているか、2) 顧客構造やチャネルで売上が再現可能か、3) オペレーションや技術面でスケール時のリスクがないか。これらを「数字」「顧客」「実務」の順に優先して確認すれば、無駄な深掘りを減らせます(優先度は買収目的で調整)。
本記事では、STEPごとに短時間で使えるチェック方法と、現場で役立つテンプレ(依頼書・突合項目・赤旗リスト)を提供します。もしマーケ調査を手早く補強したければ、キーワード・流入分析が一気にできるツールも便利です(参考:ラッコキーワード)。
STEP1:財務指標で即チェックする項目(収益性の定量評価)
まずは帳簿上の利益が「実物」と一致しているかを確認します。具体的には過去3〜5年の損益計算書と貸借対照表、月次売上(銀行入金・請求書と突合)の整合性をチェック。営業キャッシュフロー(営業CF)と会計上の利益が大きく乖離している場合は、循環取引・架空売上・請求未回収などのリスクを疑いましょう。
重要指標は粗利率、営業利益率、EBITDA、そしてSaaSならMRR/ARRです。これらを顧客別・チャネル別に分解し、過去の推移(季節性・キャンペーン効果を除いたベース)を掴みます。税務・未払金・引当金などオフバランスの項目も必ず確認してください。
- 必須チェック:過去3〜5年の財務諸表と月次取引を銀行明細で突合
- 分解チェック:粗利・営業利益・EBITDAを顧客/チャネル別に分析
- SaaS特有:MRR/ARRの推移とチャーンを季節性で補正
- 現金流:営業CFと会計上利益の乖離理由の文書化
- 会計方針:収益認識・売上計上タイミングの一貫性確認
STEP2:売上の再現性を検証する実務的サイン(顧客構造と成長ドライバー)
「今月売上が良い」だけでは意味がありません。売上が続くかは顧客獲得チャネルの多様性と、顧客維持(リテンション)、単価上昇の仕組みで決まります。コホート分析で顧客の継続率を見れば「一時的な広告効果」か「自然増分」かがわかります。
チャネル別CACとLTVの整合性は最重要。CACがLTVを回収できないなら、その獲得施策は拡大できません。さらに主要顧客集中(上位3社や10社の割合)と、失った場合のダウンサイド影響(シナリオ)を必ず計算してください。
- コホート分析:導入月ごとの継続率とLTVの時間推移
- チャネル比率:有償流入とオーガニック流入の分離
- 主要顧客依存:上位顧客消失時の売上インパクト算出
- アップセル履歴:再販売・クロスセルの実績確認
- 契約条件:自動更新・違約金の有無と解約リスク
STEP3:オペレーションとサプライチェーンで見る再現性の落とし穴
裏側が弱いと、売上は一瞬で剥がれます。サプライヤーの一極依存、在庫管理の甘さ、外部委託先のSLA不足は、収益性に直結するリスクです。契約書(納期、価格調整、解除条項)と過去の納期遅延・欠品履歴を必ず取り寄せ、実績と契約が一致しているかを確認しましょう。
さらにマニュアル・SOPの整備度、自動化・ツールの導入状況(ERP/OMS/CRM)をチェックすると、スケール時の再現性が見えてきます。BCP/DRのテスト記録があるかも重要です(特にクラウド依存度が高いSaaS事業は要確認)。
- サプライヤー構成:主要供給元の数と代替可能性
- 在庫指標:在庫回転率・返品率・欠品発生頻度
- 外部委託:3PL/クラウドのSLAと過去の違反履歴
- 標準化:SOP・手順書とオンボーディングの有無
- BCP:復旧手順・テスト記録の保有
STEP4:SaaS・デジタル事業の技術健全性チェック(コード・セキュリティ・インフラ)
テック事業は見えないコスト(技術的負債、セキュリティ脆弱性、スケール時のインフラ費用)が大きく影響します。ソース管理、CI/CD、テストカバレッジの成熟度を確認し、技術負債の一覧と概算リファクタリングコストを提示させましょう。
セキュリティ監査・脆弱性対応履歴、障害発生頻度と平均復旧時間(MTTR)は事業の信頼性指標です。加えて、開発チームの離職率・採用難易度・ロードマップの現実性も買収後の継続運営を左右します。
- 開発プロセス:ソース管理・CI/CD・テストの成熟度
- 負債一覧:technical debtの明細と概算コスト
- セキュリティ:監査報告と修正履歴、MTTR
- インフラ:現行コストとスケール時の試算
- 組織:離職率と採用難易度、チームの継続性
実践テンプレとチェックリスト — 買い手が即使えるデューデリジェンスフォーマット
ここからは「コピペで使える」テンプレ集です。売り手に要求する資料の形式(PDF/CSV)、銀行明細や請求書の突合方法、コホート分析シートなど、実務で即使えるフォーマットを示します。テンプレを使うと情報収集の抜けが減り、交渉の優位性が高まります。
また、買収プロセスをオンラインで完結させたい場合は売買プラットフォームの活用が便利です。デジタル事業に特化した売買サービスでは、契約書テンプレ・エスクローなどが用意されており、手続きの安全性が上がります(参考:ラッコM&A)。
| ステップ | 目的 | 必須チェック項目 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| STEP1 財務突合 | 帳簿と実取引の一致確認 | 3年分の銀行明細・請求書突合、営業CFチェック | 半日〜1日 |
| STEP2 顧客分析 | 売上が再現可能か判定 | コホート分析、CAC/LTV、主要顧客比率 | 1日〜2日 |
| STEP3 オペレーション | 実務で再現できるか評価 | サプライヤー契約、在庫回転、SOP有無 | 半日〜1日 |
| STEP4 技術評価 | 隠れコストの抽出 | 技術負債一覧、セキュリティ報告、MTTR | 1日〜数日(規模で変動) |
短時間で判定する「赤旗」リスト — 買収前に即ストップすべき兆候20
ここに挙げるサインを見たら即深掘りか交渉停止を検討するレベルです。多くは「説明がつかない」「突合で合わない」点に集約されます。下に代表的なものを示します(抜粋)。
これらは単体で即中止ではない場合もありますが、複数が同時に現れると非常に危険です。チェック時には必ず根拠資料の提示を求め、再現可能性を数値で示させてください。
- 会計数値と銀行明細が一致しない(入金の説明が取れない)
- 把握不能な架空費用や往来消し込み
- 異常に高いCAC(回収期間が長すぎる)
- トップ顧客1社に売上が偏重している
- 営業CFに説明できないマイナス要因がある
- コホートで継続率が急降下している月がある
- 主要サプライヤーが1社のみ・代替不可
- SOPやマニュアルが未整備で属人化している
- 技術的負債が棚卸されておらず見積もり不在
- セキュリティ監査報告が未実施または隠蔽の疑い
簡易モデルで試す:感度分析とケース別シナリオ(Excel手順付き)
感度分析は考え方がシンプルです。売上・粗利率・販管費(固定/変動)を入力し、主要変数を±10〜30%で振るだけで将来の利益分布が見えます。重要なのは楽観ケースだけでなく、主要顧客喪失やCAC上昇を想定した悲観ケースも確認することです。
Excel手順(短縮版):1) 月次売上をベースライン化、2) 変動費と固定費を分離、3) シナリオA/B/C(通常/落ち込み/回復)を設定、4) キャッシュフロー表でNPVを算出、5) 感度表で主要変数のしきい値をチェック。テンプレが欲しければ、簡易シートの配布先として使えるツールもあります(参考:ラッコツールズ)。
まとめ:短時間で「買う価値」を判定する実務のコツ
速く正確に判断するコツは「優先順位」に従うことです。最初に財務突合(帳簿と現金の一致)をして矛盾がなければ、次に顧客とチャネルの再現性を評価し、最後にオペレーションと技術の裏取りを行います。プロセスを順守すれば、無駄な交渉や買収後の想定外コストを大幅に減らせます。
最後に一言。情報は「質」が命です。要求資料はPDF/CSVで形式指定し、銀行明細・請求書・契約書の原本(またはスクリーンショット+出所確認)を必ず求めてください。手順をテンプレ化しておくと、短期間で安全に判断できるようになります。安全に、賢く買収を進めてください。

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